透析室新人看護師によくある質問「DWはどうやって決めるの?」

透析室で働く新人看護師、これから透析室へ転職する看護師が抱える、よくある質問の1つが「DW(ドライウェイト)が良く分からない」というものです。DW(ドライウェイト)とは患者さんの体重の状態のことで、心血管への影響が少ない体重のことを指します。実際には、4つの要素でDWが決まります。1つは患者さんの症状、そして血圧、CTR、それから採血結果(hANP)です。

【症状】と【血圧】ですが、低血圧もしくは高血圧の症状がないか、つまり、透析中や透析後に眩暈やふらつきがないかを見ます。さらに、むくみによる肺うっ血の症状、たとえば呼吸が苦しくないかなどを見ます。血圧に関しては、透析を始めると高くなりますが、だんだんと下がってきますので、その時に気分不快がないか、下がりすぎていないかなどを見て決めます。

3番目の【CTR】は月に1回くらい心胸郭比をレントゲンに撮って、前回撮影時の心臓の大きさと比較します。目安としては、男性は50%以下、女性は55%以下とされていますが、あくまでも指標であり、かなり個人差があります。

4つめの【hANP(ハンプ)】は日本語で言うとヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドです。hANPは心臓が大きくなる時に心房圧がかかり、それによって筋肉が引き延ばされ、その刺激で作られるホルモンのことです。簡単に言うと、心臓が大きくなる時に出てくるホルモンです。つまり、hANPの値が高いと、心房負荷や循環血漿量が増えていることになります。100pg/ml以下、25pg/ml以上を基準とします。